ズッキーニのシーズンを迎えた球磨郡相良町の川辺地区、
川辺川からほど近いハウスに生産者さんを尋ねました。
早朝はあたり一面、幻想的な霧に覆われていましたが
太陽とともにのどかな風景と青空が広がります。
ズッキーニのシーズンは春作と秋作の2回
JAくま管内では、約80軒の生産者さんがズッキーニ部会に名前を連ねています。高齢者にも作りやすい軽量野菜の普及ということでJAくまも力をいれており、出荷されたズッキーニは関西、中京あたりまで流通していきます。
豊福さんも17〜18年前にJA職員からの紹介でズッキーニを育てはじめました。「となりの宮崎県が日本一の産地で、昔はきゅうりが多かったのですが、この地域にも注文がくるようになり、それからどんどん増えました。現在は毎日、10aあたり12〜13本入りで200ケース程度の収穫を行っています。」
夜明けに咲き、昼前に萎む花 受粉のタイミングは数時間だけ
「咲いている花は今日だけの花なんです。夜明けに一斉に咲き、午前10時ごろには萎んでしまうんですよ。同じ花がもう一度開くことはありません。交配のタイミングが非常に限られるので、早朝5時から行う受粉作業がとても重要なんです。」雄花を手に持ち、咲いている雌花に1本ずつ手作業で受粉を行う。根気のいる作業だが、万一開いた花を逃すとそこに実はできない。ズッキーニは奇跡的なタイミングで実ができるのだ。量の増える春は、蜂の巣箱をハウスに入れ、さらに受粉の精度を上げるという。
生でもおいしいズッキーニ
元々強い味がなく食感の良いズッキーニは、スープに入れたり酢豚の彩りに使ったり、何の料理にも合わせやすい。加熱調理のイメージが強いが、奥様曰く、生でもよく食べるそうで「とれたて2、3日以内の新鮮なうちは、生野菜としてドレッシングで食べるのもおいしいんですよ。」とのこと。ちなみにご主人のお気に入りの食べ方は天ぷらか、炒め物。
もちろんとれたてをすぐに食べてもらうのが断然おいしいのですが、取材班が試したところ、冷蔵庫で1週間ほどなら、わりときれいなままで保管ができそうでした。保存もしやすく、ズッキーニ1本を輪切りにして炒めるだけで夕食にプラス1品できるのも便利です。
ガーリックオイルでさっと炒めて、ペコリーノロマーノチーズをかけたら最高でしたよ。