JAあしきたは「JAバンク農業金融トレーニー制度」を活用し、融資担当職員の育成に取り組んでいる。トレーニー制度ではJA職員が農林中央金庫熊本支店に出向し、農林中金職員と共に農家を訪問し経験を積む。こうして農業融資の専門知識を学ぶことで担い手の多様なニーズに応え、地域農業の基盤強化に繋げるのが制度活用の狙いだ。
金融部融資課の坂本準之介さんは2023年10月から同支店の田代基紀さんの下で研修中だ。坂本さんは果樹生産者のニーズ調査のため、2月下旬にJA果樹部会の川元隆部会長を訪ねた。川元部会長は「夏場の劣果を防ぎ果樹品質を安定させるため、屋根掛けや、かん水施設への投資が求められる。今後は鳥獣被害対策も重要だ」と意見を述べ、坂本さんは「JA事業間での情報や意見を共有し、職員の専門性を活かすことで生産者の課題解決に繋げていく」と答えた。
出向期間中、坂本さんは2月末までに130軒の農家を訪問し、農業資金やJAバンク保証料助成キャンペーンを紹介。10件の融資の相談を受けた。県内各地を巡回し、JA鹿本の茶農家、JAあまくさの畜産農家などを訪問し、6次産業化などを学んだ。坂本さんは今後の活動について「営農部門と連携を取りながら1軒でも多く巡回し、各生産者の期待に応えていきたい」と意気込む。坂本さんの出向期間は24年3月末までの予定だ。